不在時の自動返信メール
英文の添削サービス・校正ツールを提供するグラマリー(Grammarly)のコンテンツライター、カレン・ヘーズバーグ氏によると、長期でオフィスを離れる際、ビジネスの中断を回避するために自動応答メッセージが役立つという。自動応答メッセージを設定しておけば、オフィス勤務とリモート勤務、その両方のエチケットとして不在時の問い合わせに対応できる。状況を説明し、ガイダンスを提供するだけでなく「自動応答メッセージは、あなたがクライアントやパートナーのメールに応答できない時でも人々を不安にさせない役目もあります。そして間違った解釈を避けるのにも有効です。 不在時の標準的なやりとりは、顧客に口頭で伝える以外はEメールになりますから、通常の営業時間内にメールに返信できない場合は不在メッセージの自動応答を設定することをお勧めします」とヘーズバーグ氏は言う。
- 設定するタイミングを読む
不在メッセージを使用するタイミングは、仕事の内容と受信するメッセージの緊急度によって異なるようだ。そこでヘーズバーグ氏にプロフェッショナルな不在メッセージの書き方、内容、不在メッセージの例、作成のヒントなどを伺ってみた。「不在通知メッセージを設定するべきかどうかわからない場合は、誰かからメッセージが届いたらどうなるかを自問してみます。あなたの応答が彼らにとってあまり遅くならない場合は、自動応答を設定する必要はありません。ただし、不在時でも対応する必要がある重要な案件や、差し迫った問題がある場合、または少なくとも応答が遅れる理由の説明が必要な場合は自動応答の不在メッセージを設定しておくといいでしょう」。
- 簡潔なメッセージを心がける
不在時のメッセージは自動応答のため、形式的なメールが瞬時に送られてきてがっかりする人も少なくない。かと言って複雑にする必要もない。礼儀を重んじて、重要な情報が含まれていればそれで十分ということだ。中には詳細を書き込んだり、軽いユーモアでメッセージを華やかにすることを好む人もいるが、それはあくまでもオプションだ。ヘーズバーグ氏によると、基本的な不在時メッセージに含めるべき情報は次の3つになる。
① 不在になる期間と日付
② 不在の簡潔な理由
③ 緊急の場合のサポート連絡先
サポートの連絡先の設定は用件によって部署が変わるなど、複数の連絡先がある場合は誰に連絡すべきかを特定すること。あなたが不在になる前に、同僚(もしくは上司や部下)にきちんと引き継ぎをし、外部との連絡が滞りなくできるようにしておくことが肝心だ。具体的な担当者名の記載がないメールアドレスや電話番号、会社の代表番号などは避ける。これにより受信者はあなたの帰りを待つか、あなたなしで続行するかの選択肢が得られ、あなたが不在であっても気にならなくなり不安も解消される。 これらの情報はわずかな文章でカバーできるため、不在時のメッセージは通常非常に短いもので良い。
仕事上のメッセージであることに留意し、プロフェッショナルなメールを心掛ける。インターネットなどで英語の例文を検索すると、口語的な言い回しも多いためあまりカジュアルにならないように注意する。通常のクライアント以外からメールが届いたり、予想していなかった新しいビジネスの機会に悪い第一印象を与えないようにする必要がある。また、社内でサポートを依頼する際、同僚等に過度の負担をかけないようにしなくてはならない。「(別の担当者の名前)〜がすぐに対応します」「すぐに戻ります」などと安易に書いてしまわないこと。
メッセージの書き方
では、具体的にどのような不在メッセージが良いのか、ヘーズバーグ氏に一般的な例文をいくつかあげていただいた。上記の本文を社外用のテンプレートとして使用してもよいだろう。 (宛名、最初の挨拶、結びの言葉と自分の署名は共通事項として省略)
- メッセージ作成時のヒント
不在のメッセージの作成は、迅速にかつ要点を絞る。 休暇をとる場合、その計画や私生活について共有しすぎない。それは社外、社内共通で気を付けたい。自分の休暇中に仕事をしている同僚や(部下)に疎まれる可能性も出てくるからだ。そして健康問題の詳細については出来るだけ少ないほうが良い。余計な詳細が多くなることで、知っておくべき重要な情報を見つけにくくなるのを回避する意味もある。 自動返信はクライアントのみならず、受信した不特定の相手からのメールすべてに反応し送信されるため、多くの情報を公開することは、セキュリティ上の問題にもなる。 例えば「休暇中」または「病欠」とだけ書き、それ以上説明する必要はない。
最後に「不在時のメッセージにタイプミスをした場合、誤字が何十人もの人に見られます。あなたに何度か連絡を取ろうと試みた人は、毎回同じメールを読まなくてはならないことを想像してください。メッセージを打ち終わったら、スペルチェッカーなどを利用して見直すことを忘れないように」とヘーズバーグ氏は助言してくれた。