アメリカでは、不妊治療に関する福利厚生が増加している?!アメリカでは、不妊治療に関する福利厚生が増加している?!

雇用の流動性が高いアメリカでは、既存の従業員の流出を防ぐためのリテンションや、採用時により良い候補者を引き付けるために様々な施策が練られています。その中の一つとして福利厚生があり、医療保険やリタイアメントプランなどの金銭・準金銭的なものをはじめ、ワークライフバランスを充実させるもの、メンタルケアを助けるものなど、様々なジャンルが存在しています。

その様な中で、最近「国際従業員福利厚生財団 (IFEBP)」が発表したレポートで、米国の雇用主の42%が不妊治療に関する福利厚生を提供していることが明らかになりました。この数字は、2020年の30%から増加しています。

IFEBPが収集したデータによると、雇用主が提供する福利厚生の中で不妊治療に関するものが増加しており、特に不妊治療薬と体外受精(IVF)に関して、調査対象の約3分の1の雇用主が提供しているという結果が出ています。また、IFEBPのコンテンツ副社長ジュリー・スティッチ氏は、「家族形成に関する福利厚生を提供するプランスポンサーが増えていることは、これらが従業員にとって非常に価値のある福利厚生であることを示しています。また、これらの福利厚生は、より包括的な職場環境を作るためのポジティブな手段です」と述べています。

2023年3月にヘルスケア企業Mavenが発表した600人のHR専門家を対象にした調査では、大多数の雇用主(63%)が、今後数年以内に家族向けの健康福利を増やす予定であると答えています。また、最近のビジネスグループ・オン・ヘルスとフィデリティ・インベストメンツの調査でも、2025年に家族形成や生殖に関するサポートを提供する予定の雇用主が86%に上ると回答しています。

不妊治療に関する福利厚生が人気であることは、特に高額な体外受精のような不妊治療に対して企業が経済的なサポートする部分にありますが、その費用はニューヨーク・タイムズによる分析によると約2万5,000ドルと見積もられています。その様な中で、2023年3月のCarrot Fertilityの調査では、従業員の約3分の1が、必要に応じて不妊治療の費用を負担できると回答していますが、29%の従業員は、不妊治療を追求すると借金を抱える可能性があると述べています。

不妊治療に関する福利厚生が採用や従業員の定着に好影響を与えるという主張は、長年にわたり強調されてきており、Mavenが行った調査では、従業員の3分の1以上が「家族向け福利厚生が不十分であるために仕事を辞めた」、もしくは「辞めることを検討した」と回答しており、Carrot Fertilityが行った調査では、65%の従業員が「不妊治療に関する福利厚生を提供する企業へ転職したい」と答えているとしています。

この様に、働く側としては家族向けの福利厚生を重要視している事や、特に「不妊治療」に対するサポートが求められているために、企業が福利厚生を充実させる際に「Fertility Benefit」として取り入れられている傾向があります。

    By Leap JP

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