大塚製薬株式会社(本社 東京都、代表取締役社長 井上眞、以下、大塚製薬)は、Jnana Therapeutics Inc.(本社 マサチューセッツ州ボストン、以下、ジュナナ社)の買収を完了し、ジュナナ社が大塚製薬の100%子会社である大塚アメリカ Inc.(本社 カリフォルニア州サンフランシスコ)の完全子会社となったことを発表した。
大塚製薬はジュナナ社株主に対し、同社の全発行済み株式の取得対価として800百万米ドルを支払い、今後の開発品の進捗に応じた開発マイルストンおよび薬事マイルストンとして、最大325百万米ドルを支払う可能性がある。
ジュナナ社は、独自の革新的な創薬アプローチであるRAPID(Reactive Affinity Probe Interaction Discovery)プラットフォームを利用し、従来のスクリーニング系では低分子医薬品の獲得が難しかった様々な医薬品標的に対して、ファースト・イン・クラスの化合物を同定し、自己免疫疾患領域や一部の希少疾患に集中することで、ユニークな競争ポジションを築いている。自己免疫疾患の分野では、インターフェロンの産生を司る主要な転写因子であるIRF3(インターフェロン調節因子3)など、医学的・生物学的に疾患への寄与が確認された標的に対する低分子化合物の創薬に取り組む。
この創薬技術を用いて、同社は、腎臓におけるアミノ酸の再吸収を制御するタンパク質に対する経口低分子阻害剤JNT-517を開発し、乳児期から症状が現れることが多い遺伝性代謝性希少疾患である、フェニルケトン尿症(PKU)患者のフェーズ1b/2試験を進めている。ジュナナ社は、本年9月に開催された学会(SSIEM 2024 Annual Symposium)において、フェーズ1b/2試験の中間解析結果を発表。今回の学会発表では、75mgに加えて、新たに150mg(いずれも1日2回)のデータが開示された。
JNT-517はPKUに対し、米国食品医薬品局(FDA)からオーファンドラッグ指定および小児希少疾患医薬品指定を、欧州医薬品庁(EMA)からはオーファン指定を受けている。またEMAからは高フェニルアラニン血症に対する優先医薬品指定(PRIME:PRIority MEdicines)を受けている。今回のフェーズ1b/2試験のデータに基づき、米欧の当局と現在協議中で、2025年早期にはフェーズ3試験を開始する予定。
大塚製薬株式会社
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