米国労働省(Department of Labor)によって、一部のExemptの従業員の最低年収が段階的に引き上げる事が発表され、2024年7月から適用となっていましたが、2024年11月15日の連邦裁判所の判決によってこの内容は無効とされました。その結果、給与基準は2019年の水準である年収$35,568(週給$684)に戻っています。
これまでの発表内容
Executive, Administrative, Professional Exemptionに関しては、2024年7月1日から$43,888、2025年1月1日から$58,656、Highly Compensated Exemptionに関しては2024年7月1日から$132,964、2025年1月1日から$151,164に引き上げられる事となっていました。
今回の決定
今回の件では、テキサス東部地区連邦地方裁判所が、予定されていた給与基準の引き上げや、3年ごとの自動引き上げは「労働省の法定権限を超えている」と判断した事によって無効となりました。そのため、2024年7月1日に$43,888に引き上げられた部分も無効となり、最低年収は2019年に設定された$35,568のままとなります。
ただし、バイデン政権がこの決定に控訴する可能性はありますが、新たな政権が発足する前に変更が行われる可能性は低いとみられている様です。また、トランプ政権が発足すれば、バイデン政権の時間外労働ルールを正式に撤回する、あるいは一部を見直す可能性があるとされています。
なお、ニューヨーク州とカリフォルニア州に関しては、別途Exemptの最低年収が定められているので、注意が必要です。
文章:Kimihiro Ogusu, SHRM-SCP, 中央大学 非常勤講師 (SolutionPort, Inc.)
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