SolutionPort, Inc.
President & Founder
Kimihiro Ogusu, SHRM-SCP, PHR
 Email: k.ogusu@solution-port.com

  • 2022年以降、フルタイムの求人の割合は横ばい、パートタイムは増加している。
  • パートタイムの求人増加は、サービス関連でより多く見られる。
  • 今後もフルタイムをパートタイムに切り替える傾向が続く可能性がある。

1. 求人の傾向:パートタイムが増えている

 求人は、昔からフルタイムの仕事が一般的とされていますが、Indeed Hiring Labの最新のレポートによると、2024年5月の時点では全求人投稿の62.3%がフルタイムという状況でした。パートタイムに関しては全体の31.7%を占めており、これは2022年5月から2.5ポイント増加しています。さらに、フルタイムとパートタイムの両方を示す投稿は全体の12.7%となっています。

2. パートタイムが増加している分野:サービス関連がトップ

 では、パートタイムがどういった分野で用いられているのかというと、上位には美容/ウェルネス・パーソナルケア・小売り・飲食などのサービス関連となっています。フルタイムが用いられる事が多い分野は、保険・法務・会計などの伝統的なオフィス業務や、保育・建設といった結果になっています。

 パートタイムの仕事の増加割合に関しては、美容/ウェルネスにおいては過去2年間で26.8ポイント増加し、パートタイムの仕事の割合が最も減少した分野には、獣医・保育・歯科などのヘルスケア関連の職業が含まれます。

3. 今後の採用の傾向:経済状況によってはパートタイムが増える !?

 一部の分野では、パートタイムオプションの増加がフルタイムの求人投稿の減少を招いており、特に、メディア/コミュニケーション・ホスピタリティ/観光・マーケティングなどでは、雇用主が積極的にパートタイムの求人投稿に切り替えている様です。一方で、マネジメントや食事準備・サービスではフルタイムの求人投稿が増加し、パートタイムの割合が減少しているという現象もみられます。

 パートタイム労働の増加傾向の具体的な要因としては、雇用主が労働者を引き付けるためにより柔軟なオプションを提供している可能性や、冷え込む労働市場が単にフルタイムの役割を減少させている可能性などが考えられます。また、経済が不確実な中で、雇用主の労働者需要が徐々に減少する場合、パートタイムの傾向は引き続き増加するという見込みも出ている様です。

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    By Leap JP

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