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アメリカで物価上昇が進んでいる

◻︎◻︎連載◻︎◻︎ アメリカでは、約3割の人の生活費が自転車操業となっている?!

アメリカで物価上昇が進んでいる事を体感している、あるいは耳にした事がある人も多いかと思いますが、実に「労働者の5人中3人が、生活費を給料から給料へとやりくりしている」ようです。これは、PNC銀行による調査レポートである「職場における経済的健康報告書」が明らかにしたことで、このレポートによると、31%の労働者が「給料の前借を望んでいる」と回答しています。 さらに、調査に参加したアメリカの雇用主の78%が、「従業員が“経済的に”ストレス”を感じている」と答え、これは前年の71%から大幅に増加しています。一方で、貯蓄関連の福利厚生へのアクセスは、前年の14%から28%へと倍増していることも報告されています。 特に、学生ローンの返済に苦しむZ世代の労働者の約4割が、返済中に「経済的に停滞している」と感じており、世代ごとの経済的目標やストレスの違いが浮き彫りになっています。この調査によると、個人の財政に最もストレスを感じているのはZ世代で、次にミレニアル世代、ジェネレーションX、そしてベビーブーマー世代が続きます。 Z世代にとっての最優先事項は「クレジットスコアの改善」となっている一方、他の世代はすべて「退職後の貯蓄を重視している」といった傾向がみられますが、同時に、Z世代は「より経済的な福利厚生を提供する企業に長く勤めた」いという意欲が最も高いことも特徴的です。 PNC銀行のカレイ・キーリー・ブキャナン副社長によると、「アメリカの多様な世代の労働力が抱える経済的目標や優先事項の違いは、幅広い従業員のニーズに応えるために、様々な福利厚生を提供する重要性を示しています」と述べています。 また、バンク・オブ・アメリカが四半期に一度行っているParticipant Pulse reportというレポートによると、属性によってファイナンシャル・ウェルネスに対する感じ方にも違いが見られ、ここでは男女間の違いが挙げられています。男性はファイナンシャル・ウェルネスのスコアを100点中53点、女性は46点と報告しており、長期的な借金管理や資産の保全に差が見られます。 雇用主が従業員の経済的健康を支援する取り組みを強化することは、リテンションに不可欠なものとなりますが、各世代の多様なニーズに応えるためには、柔軟な福利厚生プログラムの提供が重要です。その一例として、ファイナンシャル・アシスタント・プログラムがあり、緊急時のローンや支援、学資ローンの支援、財務カウンセリングなどが行われています。また、「給与を一日早く引き出せる」ことを売り文句にしているペイロール会社もあるので、そういったサービスを利用する事も選択肢に挙げられます。 いずれにせよ、アメリカの物価上昇は目に余るものがありますが、それに困っている人々は少なく無いという状況になっています。 文章:Kimihiro Ogusu, SHRM-SCP, 中央大学 非常勤講師SolutionPort, Inc. President & FounderEmail: k.ogusu@solution-port.com…

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