JX金属株式会社(林 陽一 社長)は、2024年11月20日、米国市場における半導体用スパッタリングターゲット事業の強化および新規事業展開に向け、アリゾナ州フェニックスに車で30分ほどの距離にあるメサ市に新工場を設立した。同社米国現地法人は、JX Advanced Metals USA, Inc.(桑原 真砂 社長、以下JX USA)。
同日開催された開所式には、行政関係者や地元商工会関係者などが出席し、同社で薄膜材料事業部長を務める諏訪邉武史さんは、「米国における最近のIT、生成AI、モビリティの発展は目覚ましく、新工場から最先端の半導体材料を供給することで、先端半導体産業の一層の発展に貢献していきたい」と挨拶した。
JX USAは、アリゾナ州で拠点の新設や拡張を進める先端半導体メーカーなどの動きに合わせ、顧客の近接地において半導体用スパッタリングターゲットの加工やカスタマーサービスを行っている。新工場では、生産能力を拡張するとともに、最新鋭の設備を導入することで工程の自動化を実現し、大幅に生産性を向上させている。すでに2024年7月から試運転を行い、2025年初頭をめどに本格的な量産を開始する予定。
メサ新工場は、既存の同州チャンドラー市にあるJX USA工場の約6倍の広大な用地を持ち、引き続き建屋の増築に対応が可能となっている。今後は、半導体用スパッタリングターゲットの生産能力を顧客ニーズに応じて機動的に拡大するだけではなく、さまざまな半導体材料の生産拠点や新規事業拠点として展開することで、北米における先端事業分野の中心地としていく。
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